食費の条件

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『何の用だよ』 低い声から、宮園様が眉間に皺を寄せている顔が容易に想像出来る。 「用が無かったら電話しちゃダメなんですか?」 『用が無いなら電話する意味ねぇだろ』 「ん~……じゃあ、夜遊びも程々にして早く帰って来てください」 しばらく間が空いてから、宮園様がぶっきらぼうに「何で」と尋ねて来た。 何でって……俺が部屋で一人暇してるから? いや、暇っていうか、話し相手が居なくて寂しいというか……。 翼は翼でこの時間は松森隼人とイチャついてるだろうし。 「寂しいからです」 『……は?』 「一人だと寂しいんです」 そう言うと宮園様は『バーカ』とだけ答えて一方的に電話を切ってしまった。 アレ、フラれた? 仕方ないのでさっさと布団に入り、翼に教えてもらったケータイのアプリのゲームをしながらそのまま寝落ちた。 .
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