呼び出し

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朝起きると俺の枕元に30㎝程のカピバラのぬいぐるみが置いてあった。 可愛いけど……何でカピバラのぬいぐるみが? サンタクロースにお願いした覚えは無いんだけど。 ってか、クリスマスにはまだ早いよ。 身支度を整え朝ご飯を作り、カピバラを手に宮園様の寝ているベッドへ近付く。 「朝だよ~。起きて~」 カピバラを動かしながら裏声でアフレコ。 「起きてよ、ユイちゃ~ん」 わざとカピバラを宮園様の顔に近付けて名前を呼ぶと。 「呼ぶなって言ったろ」 宮園様が布団から腕だけ出して、カピバラのガードをすり抜け俺の額を平手で叩いた。 「だって名前で呼んだらすぐ起きてくれるし」 「普通に起こせよ」 普通に起こしても起きないのは、初日で学習済みですよ。 「宮園様、ご飯出来てます」 「解った」 上半身だけ起こし両手を上に挙げて伸びをしてから、宮園様はベッドを出て洗面所へ向かう。 その間に俺はテーブルを出して食事の支度。 .
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