呼び出し

5/20
前へ
/400ページ
次へ
昼休み、前の授業のノートを写し終えていない翼に「先に売店行って飲み物を買っておくよ」と告げ、俺一人で売店に向かう。 「あ」 自販機で飲み物を買っていると、売店の中に一人目立つ赤い髪。 「宮園様~」 声を掛けるが宮園様は宣言通り俺を無視している。 「宮園様、お昼は売店のパンですか?」 「……」 「それともお弁当? いつもどこで食べてるんですか?」 俺から離れて行こうとする宮園様の後を追いながらしつこく話し掛けると。 「ついてくんな」 宮園様に睨まれてしまった。 「あ、答えた。無視するって言ったのに」 指差しながらニヤニヤ笑っていると、不機嫌顔の宮園様に頭を軽く叩かれる。 「話し掛けんじゃねぇ、バカ。釣られて答えちまうだろうが」 「ね? だからあの条件は無理があったんですよ」 「そうだな、アホのお前には通じねぇみたいだし」 人の事『バカ』だの『アホ』だの、宮園様は酷いな。 せめてどっちかにしてよ。 .
/400ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12465人が本棚に入れています
本棚に追加