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「あれ?」 翼が俺の背後に視線を向け、何故か一度手の甲で目を擦ってから再び俺の後ろを見ている。 「翼、どうした? 目にゴミでも入った?」 「あの、今光太の後ろに人影が見えたような気がしたんだけど……」 「後ろ?」 顔だけ振り向くが、後ろには売店で買い物をしている他の生徒が何人も居る。 そりゃ、人影はいっぱいありますね。 「何て言うか……こっちを見てたみたいな。あ、そこの壁」 「壁?」 翼の指差す方向に目を向けるが、誰も居ない。 「今、壁の所からこっち見てた! 黒い髪の小さい子!」 小さい子って、翼も人の事言えないよ。 翼は小さくて可愛い! 「ん? 黒い髪の子って……もしかしてもっさい黒髪メガネ君?」 「あ、そういえばメガネしてたかも」 「やっぱり」 コソコソしながら俺を見ていたのは、昨日話し掛けてきたもっさい黒髪メガネ君なんだな。 でも、何で? ストーカー? .
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