不良と同室になりました。

呼び出し

「来たか」

仁王立ちした生徒が俺に話し掛けてきたって事は、この人が俺を呼び出したんだろうな。

先生に呼ばれたんじゃないのか。
ちょっとホッとした。

仁王立ちした生徒はサラサラの黒髪に銀のフレームのメガネを掛けた、真面目そうな雰囲気の人。
同じ黒髪メガネでも、もっさい黒髪メガネ君と全然違ってカッコイイ。

「石渡光太郎君？」

「あ、はい」

「俺は風紀委員長の薬師堂玲だ」

制服のネクタイの色からして、二年生だろう。
二年生で委員長してるって事は、相当優秀なんだろうか。

「で、俺の前に座っているバカが寮長の山本秋人だ」

「寮長でーす」

『バカ』と紹介されたその人は、正座をしたまま顔だけ俺の方を向いてヒラヒラと手を振っている。

「寮長？」

入学して寮に入る時に寮長に会った事があるが、この人は知らない。

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