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俺が知ってる寮長は三年生の地味な感じの人で、こんな茶髪の二年生じゃなかった筈だ。 「代替わりしたばっかだから、オレの事なんて知らないよねー」 「代替わりしたばっかりで何で問題を起こすんだ」 「問題なんて起こして無いしー」 膨れっ面で答える寮長の太股を、風紀委員長が上履きのまま踏みつけた。 「ちょっ……痛いって、やっくん!」 「誰がやっくんだ」 ヤバイ、風紀委員長マジ怖い。 宮園様より怖いかも。 グリグリと踏みつけて満足したのか、風紀委員長が俺に向かって「とりあえず座りなさい」と声を掛ける。 え? 座れってどこに? 室内には長机とパイプ椅子があるが、正座をしている人の前で椅子に座っていいものなんだろうか。 迷った末に寮長の隣に正座で座ると、隣から押し殺したような笑い声が聞こえた。 「何故お前まで正座をする」 「え、怒られるんじゃないかと思いまして」 .
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