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「いいじゃん、天使! 天使を悲しませるのはダメだよねー」
まだ笑いが止まらない寮長が俺の背中をバンバン叩く。
「確かにホワホワしてて天使って感じだもんね、あの子」
もしかして寮長、翼を知ってる?
そうか、部屋を替わる許可を貰いに行った時、翼も一緒だったのかも。
「お前は天使の正体を知っているのか?」
「知ってるけどやっくんには教えなーい」
「やっくんとか言うな」
翼の幸せを守る為にも、ここで俺が堪えなきゃいけない。
子供を守るのが母親の役目だ。
母親じゃないけど!
「部屋を戻す事は出来ません。話はそれだけですか? スーパーのタイムセールに行きたいんですけど」
「待て、まだ話は終わっていない」
「何ですか?」
床から立ち上がろうとしていた俺を、風紀委員長が引き留める。
「石渡君はそれでいいのか?」
「はい?」
「ルームメイトはあの宮園だろう? いいのか?」
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