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風紀委員長の言いたい事も何となく解る。
俺だって宮園様と同室になって話をするまでは、校内の噂に踊らされて宮園様を恐ろしい不良だと思って近付くのも怖かった。
でも、ちゃんと話をしてみたら誰だって宮園様を怖がったりしない筈だ。
宮園様は悪い人じゃないもの。
「俺は宮園様と同室で構いません」
真剣に答えたのが伝わったのか、風紀委員長は「解った」と頷いた。
「もし何か問題が起こったらすぐに言いなさい。部屋を替えるよう手配するから」
「前の部屋には戻りませんよ?」
「考慮する」
とりあえず部屋割りは今のままでいいらしい。
良かったな、翼!
お前の愛は守ったぞ!
「もう帰っていい」と言われたので、俺は素直に指導室を出たが。
「お前にはもう少し事情を聞かないとな」
「ぎゃっ! 足痺れてるんだから、触らないでー!」
居残りを言い渡された寮長が可哀想な事になっていた。
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