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入学して翼と仲良くなってから、お昼はいつも一緒だった。
「光太、ごめん」
それは、翼が松森隼人と付き合うようになってからも変わらないと思ってたし、翼もそのつもりだったんだろうけど。
「隼人がね、お昼ご飯二人で食べようって誘ってくれて」
とうとう俺にぼっち飯の危機が訪れた。
「それって、翼と松森隼人の二人でって事だよね?」
「ホントごめん」
自分の席に座ったまま呆然とする俺に、翼が両手を合わせながら謝ってくる。
そりゃ、前に松森隼人に『翼と一緒に食べてやれよ』とか思ったけどさ。
「あの、光太がどうしても嫌なら隼人に断るよ? どうせ晩ご飯は寮で一緒なんだし」
悲しみを堪えて笑う翼の表情が、切なさを募らせる。
俺は……翼にそんな表情をさせたい訳じゃないんだ……!
「よ、良かったじゃん。行ってきなよ」
「でも、いいの? 光太は?」
「俺は平気だからさ。気にしないで」
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