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「俺が教室に居たら、他のヤツが気ぃ遣うだろ」
「そうですかね」
「たまに上級生に呼び出しくらうし」
「上級生がわざわざ教室まで来るんですか?」
それは……気を遣うというより怖いかもしれない。
二個目のパンをの袋を開けながら考え事をしていて、つい笑い出してしまった。
「何笑ってんだ、キモイ」
「いや、宮園様は人気者なんだなって」
「はぁ?」
ニマニマと笑う俺に宮園様の蔑むような視線が刺さる。
『やっぱりアホだ』とでも思っているんだろうな。
「だって上級生が宮園様とケンカをしたくて、わざわざ教室まで迎えに来るんでしょ?」
「いや……そうとも言えるけど。人気者ってのとは違うだろ?」
「いいじゃないですか、人気者!」
「そんな風に考えるのはお前だけだっての」
思ったままを言っただけなのに、宮園様は「ホントバカだな」と呆れたように溜め息を吐いた。
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