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そろそろ昼休み終わりのチャイムが鳴る頃だと後片付けをしている最中、視界の端に人影が見えた気がして。
「ん?」
そちらに顔を向けると、中庭から校舎に出入りするドアの陰にもっさい黒髪メガネ君。
「……」
俺と目が合った瞬間、そのもっさい黒髪メガネ君は音も無くサッと消えてしまった。
「み、宮園様!」
「うるせぇ」
「忍者! 忍者が居ました!」
「居るか、バーカ」
いきなり忍者なんて言われても信じられないだろうけど、気配を感じさせない身のこなしは忍者しかないよ。
いや、忍者じゃなくてストーカーか。
「そういえば、宮園様の知り合いにもっさい黒髪でメガネの男の子って居ます?」
「知らねぇな」
即答するって事はホントに知らないのか?
宮園様の事を俺に尋ねてきたから、知り合いだと思ってたのに。
え、じゃあ、あのもっさい黒髪メガネ君は一体何者?
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