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今日の晩ご飯は豚のしょうが焼きと肉じゃがにした。
とりあえず肉があれば宮園様も喜んでくれそうだし。
たまには魚も食べさせないとな。
肉ばっかりじゃ栄養が偏る……ってか、俺が飽きる。
ガチャリとドアの開く音がしたから、宮園様が帰って来たんだとキッチンから顔を覗かせた所。
「ぇえええ!?」
痛々しい宮園様のお姿に思わず叫び出してしまった。
「うるせぇ」
機嫌が悪いのか低い声で答える宮園様は殴られたらしく頬が赤くなっていて、口の端が切れ血が滲んでいる。
その他にも擦り傷や切り傷。
「きゅっ……救急車!」
「大袈裟だろ」
間違えた。
「きゅっ……救急箱!」
この部屋には越して来たばかりだから、救急箱の場所が解らない。
というか、あるのか?
「大した事ねぇよ」
宮園様が手の甲で口の端の傷を押さえつける。
「大した事ありますよ! そうだ、管理人さんが救急箱持ってるかも」
宮園様の返事も聞かずに「借りて来ます!」と慌てて部屋を飛び出した。
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