お昼ご飯

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「そりゃ、ケガしてたら誰だって心配しますよ」 「うんうん、そうだよね」 何だか寮長の表情が微笑んでいるというより、ニヤニヤしているように見える。 気のせい? 「その宮園君にさ、思い知らせてやればいいんだよ。ケガをしたら心配する人間が居るんだぞーって。そしたら大人しくなるかもしれないし」 宮園様が大人しくなっても上級生が放っておかないんじゃないか? わざわざケンカの為に教室まで迎えに来るみたいだし。 「そしたら、やっくんの負担も減るし、オレも八つ当たりされなくて済む。一石二鳥ってこの事じゃない?」 さも名案を思い付いたとばかりに誇らしげに笑う寮長に、そう上手くはいかないぞ、とは言えなかった。 先日の指導室で大変な目にあったんだし、ここで否定するのも可哀想だ。 「宮園様にはそれとなく伝えてはおきますよ。救急箱、ありがとうございます」 寮長にお礼を言って、急いで宮園様の待つ部屋へと戻った。 .
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