1章 復讐

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第1章 復讐 その事件は、12月24日『クリスマス・イブ』---。 街中でのカップルで賑わう時間がおわり、2人になる時間。 午後9時から翌日の午前3時、いわゆる『性の6時間』とよばれる時刻に、それは起こった。 「今日こそは…今日こそは…」 雪ふる夜の聖歌祭。俺は今日という日を心待ちにしていた。思えば29年と364日、 俺は誰ともやったことがなかった…。つまりは童貞、明日は誕生日で三十路になる。 『30で童貞だと魔法使いになれるんだって!』 数年前にどこかのネットで見たことがある。 ネタだろうが、俺もこのままでは職業・自宅警備兼魔法使いになってしまうだろう。 そんなふうに思っていた時期が俺にもあった。
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