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ドンッ!
「ぅおっ!」
お姉さんが作っているパフェに気を取られながら歩いていると、立ち止まっていた中川さんの背中にぶつかってしまった。
「え?大丈夫?」
俺からぶつかっておいてふらっとよろめいたせいで、二の腕を掴まれ支えられる形で心配されてしまった…
てか中川さんよろめきもしなかったな、結構がっしりしてんのかな…
「ごめんなさい!
よそ見してて…ほんとすいません!
中川さんは大丈夫ですか?」
「俺は大丈夫だよ、ありがと
…パフェ見てたの?」
「…はい…すいません…」
なんだか恥ずかしくてうつむきながら答えると、二の腕をつかんでいた手が頭にポンポンと乗せられ
「そっか(笑)
働き出したら大盛りで作ってあげるよ!
バイト割価格だしね(笑)」
と、またあの優しい笑顔で覗き込まれた。
ガチャ
「泣かせた?笑」
いきなりドアが開いたかと思ったら店長さんが首から上だけでこっちを見ながら冗談っぽく笑ってきた。
急に開いたドアや突然かけられた声に少しびっくりしていたら、頭にあったはずの中川さんの手が俺の背中に移動していてポンッと店長の方へ促してくれた。
「俺そんなひどい男じゃ無いですよ(笑)
杉下くん帰るんで挨拶したいって」
「おー!わざわざありがとね
じゃあ明日にでも電話するから!
」
店長さんはドアから出て来ると俺の肩をポンポンと叩きながらニカッと笑った。
「はい、ありがとうございました!
では、失礼します。」
俺も負けじとニカッと笑いながら返すと、店長さんは何かに納得した様子でうんうんと頷いてそのまま中川さんの方へ顔を向けた。
「じゃー中川もお疲れ!」
「お疲れ様でーす!」
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