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背中にあった中川さんの手が促すままに俺はジュリアンの外へ出た。
「杉下くん家どっち?」
「あ、こっちです」
左を指しながら答えると中川さんは左へ続く道へ少し歩き出しながら、またあの優しい笑顔でくびを傾けてきた。
「じゃー途中まで一緒に帰ってもいい?」
はい。と答えながらも、少し暗くなり始めた空と中川さんがとても綺麗だなと思った。
中川さんは大学進学と共に上京してきて一人暮らし2年目で、引越してきてからずっとジュリアンで働いているらしい。
あとは店長や店員さんの面白エピソードなどを話してくれた。
ジュリアンを出て10分ほど歩いたところで大通りを外れ脇道へと入った。
「あれ?杉下くんもこっちなんだ?!」
「はい、すぐそこの川の手前なんです」
「え?!
俺のアパート橋渡ってすぐのコンビニの隣だよ」
「え?!
すっごい近いですね!」
突然分かった偶然に何故か2人ともテンションが上がって声が大きくなってしまった。
「いやーそっかー
じゃあ上がり被れば一緒に帰れるね!」
すごく嬉しそうな笑顔でそう言われなんだか照れてしまい、それを隠そうと俺も笑顔でそうですね!と答えた。
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