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子供たちは特に気にしてはいなかったが教師たちは教室と職員室を行ったり来たりで忙しいようだ。
計画が上手くいかないのだから当然だろう。
更に王余魚沢の雪道を通る王余魚沢の先生の心配もあったことだろう。
ひでが本を読み始めて欠伸が出た頃、対馬先生が皆を呼んだ。
「王余魚沢の先生が着きました。みんな、いい子で聞いてね」
その言葉のあと、一二年以外の生徒も一二年の教室に入ってきた。その中には兄のかずも含まれる。
ひでは少しだけ緊張した。
兄と一緒に勉強とは少し気恥ずかしい感じがする。
また下手なことを言って家族に告げ口されたら嫌だなどと小さなことを気にした。
教師たちが生徒たちの椅子を並べて、生徒たちはそれに座る。
そうして、ぼんやりと待っているとスーツで身を固めた銀髪の男性が職員室に現れた。
生徒の一人が起立と叫ぶ。
王余魚沢の授業の始まりである。
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