信じても

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しかも当時の超常現象の番組ときては霊魂を扱うと度々、放送事故が起こった。 停電やラップ現象と呼ばれるものが、そのままお茶の間に流れるのである。 世間一般のいくらかは、やらせであるだろうと疑ってかかっていたかもしれないが、また世間一般のいくらかは、それは 霊魂を存外に扱っているからの罰だと信じたのである。 勿論、ひでの一家は次郎以外はそういう不可思議な現象を信じていたので興味津々でそういう番組を見る。 また時代は、降霊術というものも流行らせた。 俗に言うこっくりさんやキューピットさんである。 しかし、ひでを含めた三兄弟はそういう遊びを嫌った。 間違った方法を行うと呪われると信じていたのである。 テレビ番組は、そういった遊びで不幸になった例も放送する。 特に三兄弟の中でひでは一番の怖がりであり、また一番霊魂の存在を信じていた。 その一番の理由は、ひでの母が持った水子である。
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