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「そんなことしなくても大丈夫だってばっ」
大介の自信満々の言葉に二人は逆に怒る。
「大介くんも謝ってっ。呪われても知らないよっ」
あゆみの強い口調に大介もしぶしぶ手を合わせる。
「ごめんなさい」
そして三人は墓所をあとにした。とてつもなく罰当たりなことをしたとは気付かずに。
その晩、ひでは珍しく父の次郎に殴られなかった。
特に宿題や勉強をした訳ではなかったが、そんな日もあるのだろうと普通に夕食をとり普通に風呂に入り、普通に床に着いた。
いつもより穏やかな一日であった気がする。
だが夜半過ぎ、突然にひでの意識が起き出した。
しかし、可笑しいのである。
確かに目覚めてはいるが、まぶたが開かないのである。
手を動かそうにも動かない。
足を上げようとしても上がらない。
そして息苦しさを感じるのである。
ひでは唸った。
その息苦しさとはまるで首を絞められているようなのである。
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