信じても

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ひでは夜にあったことを大介に話した。 話したあと大介の顔を見ると青ざめていた。 「僕も同じようなことあった……」 そのとき生暖かい風が吹いた。 それは昨日、訪れた墓所のほうからである。 「ひで、行くぞっ」 大介はひでの手を引いた走り出した。 ひでは墓所に向かってごめんなさいと呟いてから少し遅れて走り出す。 学校に着いてみると、なぜかあゆみも既に学校に来ていた。 二人は、夜あったことをあゆみに話す。 「私も夜トイレ行ったら変な声聞いた……」 それを聞いた大介が更に青ざめる。 「もう墓場を探検するのは止めよう……」 あゆみもひでもうんと小さく頷いた。 そして、時が過ぎ去りひでと大介が乗った石が墓石であると知ったひでは、更にごめんなさいを墓所に向かって念じた。 その体験談が本当に霊魂からの罰であったかは定かではないが、ひでは更に霊魂の存在を信じるようになった。
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