14人が本棚に入れています
本棚に追加
雪がちらつき始めた十一月のある日、王余魚沢小学校の生徒たちにプリントが配られた。
その内容が王余魚沢の歴史を学ぼうというものだった。
王余魚沢小学校の授業内容で週に二時間ほどレクの時間があった。
ほぼ遊びの時間と言っても過言ではないが教師たちは、子供たちに色々なことを学ばせようと頭を悩ますのである。
そのプリントを配った対馬先生が教壇の前に立って口を開く。
「みんな興味あるかな」
対馬先生の前の一年生と二年生は全員首を縦に振る。
「知っている人っているの」
誰かが疑問の声を投げた。
対馬先生はにこりと笑う。
「王余魚沢のことを調べている人がいたから、その人から教えてもらうんです。先生もちょっと楽しみなんだよね」
先生もちょっとと楽しみという言葉に生徒たちは微笑む。
「先生も勉強するの」
また誰かが疑問を投げた。
やはり対馬先生はにこにこしている。
「先生は勉強したから先生になれたんです」
最初のコメントを投稿しよう!