学んでも

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ひでは顔を洗い歯を磨いて朝食をとったあと家を出る。 ひでの登校時間はいつもぎりぎりである。 特に遅刻することもなかったので誰も大して気にはしないが、対馬先生だけはもう少し早く登校するようにと普段から言っていた。 のそのそと歩いてひでが豆坂に着いた辺りで早く学校に向かっているはずの他の子供たちに追いついてしまった。 その子たちは凍った豆坂の道をお尻で滑ってははしゃいでいた。 「危ないよ……」 それを見て呟いたひで。 そこは車道であるから当然である。 「ひでも滑ろうよ」 誰かが言った。 ひでは僕はいいよと歩を進めた。 が結局滑り落ちることになる。 凍った地面で転んでしまったのだ。 皆が笑う。 ひでも笑って笑うなよと声をあげた。 「気にするなよ。僕もそれで滑ったんだ。さあ遅刻しちゃうよ。急ごう」 そう言って、一人の子がひでの腕をとった。 ひでは慎重に立ち上がり歩き始めた。
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