学んでも

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「これが一番有力な王余魚沢の名前の由来の話です」 また、教室にへぇという声が響いた。 「まぁその魚が鰈だから王余魚沢と言うんでしょうけどね。みんな鰈は好きかな」 「好きっ」 子供たちの声が響いた。 「それは良かった。今日は少し遅れたから少ししか話さなかったけど、また会いに来るからね。それまで元気に鰈を食べているんだよ」 面白くもない冗談だったが子供たちは笑顔だった。 自分らが住む場所にそのような話が存在すると知ると少しだけ自慢に思えるのである。 犬が飼い主のために遠くまで魚をとりに行く。 なんとも微笑ましい話である。 ひではその夜、母に王余魚沢の由来を教えた。 そのときの母の一言が可笑しくてたまらなかった。 「王余魚沢って凄いんだね」
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