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としの家も共働きではあるが、祖父祖母が厳しいせいか細かなところまで気が回る。
ひでの祖父の政一やゆこはどこかちゃらんぽらんであり、どこか抜けているため、そういう躾には厳しくなかった。
そんな親を持った母のふきもどこか抜けているのである。
ひでがおじゃましますととしの家の居間に向かう。
そこには近場の十歳より下の子供たちが集まっていた。
みんなでぼうっとテレビを見ている。
誰かが口を開く。
「ひでくんとこのおじいちゃんおばあちゃんも温泉行ったの」
ひでがこくんと頷いた。
どうやら、ここにいるのは皆で温泉に行ってしまった老人たちの孫らしい。
「皆も手伝いで来たの」
ひでは率直な疑問を口にした。
「お母さんはね」
誰かが答えた。
「うちはお父さん」
「僕のところはおばあちゃん」
どうやら王余魚沢にいたかなりの家の大人たちが手伝いに来ているらしい。
村八分という言葉があるが、十分にならない二分の一つに葬式があるとか。
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