食べられても
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その地、王余魚沢は小さな山。 高陣場山という山の中腹にある。 戦争を生き抜いたお爺さんやお婆さんは、千九百八十年代に入っても狼が山にあると信じ、空に鷹が飛ぶと攫われはしないかと赤子を強く抱いた。 そんな、お爺さんやお婆さんに昔話などを聞きながら、七人家族の一人として育った三人兄弟の次男ひでは今日も元気に悪さをしていた。
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