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ひでは、ぼうっと訪ねる。
「僕、捨てられたんじゃないの?」
「バカやろうっ。熊にでも喰われる気かっ」
津軽なまりのその声に、ひでは脱力したように腰を落とした。
「いくぞっ」
今度は祖父がひでを抱き上げで家まで連れて行った。
家に帰ると父はやはり飲んだくれていて、皆静かに居間のテレビの前に座っていた。
母は機嫌悪そうに父を指差したあと自分の頭を指して指で円を描いた。
ひでにはくるくるぱーと言いたいのだと直ぐに分かった。
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