鼻血男ですが、何か?

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ハッハッハッと、肩を揺らしてひょっとこ仮面が笑う。目の前にいるのがひょっとこのふざけた表情のせいかむしょうにぶん殴りたい、頬を殴られたし。いいよな。 「なにがおかしい。笑うな」 「いえいえ、すみませんね。貴方が私と同じ人種だとわかって、嬉し笑いをしてたんですよ」 いまだに肩をかくかくと揺らしながら言う。人種って、お前と同類だなんてふざけんな。 「そんなわけあるか、嬉し笑いってなんだよ!! 嬉しいのか、笑いたいのかどっちかにしろ。うっとうしい」 「いちいち文句をつけないと気がすまない人なんですか。心が狭い。四畳半程度しかありませんね」 「やかましい!!」 「逆ギレ、おー、怖い。ですが、私があなたを同類と見なしたのは、貴方が私と会話したからですよ」 くつくつと肩を揺らしながら、ひょっとこ仮面は言った。どうして、お前と会話することが同類になるんだ? 小首を傾げると二本の指をつきたてられた。 「なんだ?」 「ピース!!」 「ぶん殴るぞっ!!」 「暴力反対!! 軽いジョークのジャブじゃないですか。ここをこうして横目ピースっなんつって、てへっ」 「うぜえ、マジでぶん殴ってやる。そこになおれっ!! その仮面、引っ剥がしてやるわ!!」 横目ピースって女の子がやると可愛らしさがあるんだろうが、ひょっとこの表情ととってつけたような、てへっが加わってうざいのなんの、マジでぶん殴って、その仮面、引っ剥がしてやりたい。もう、我慢しねぇ。引っ剥がしてやる。 「やめてください。女の子の仮面を剥ぐなんて、女の子のスカートをめくるくらいの重罪なんですよっ!! この変態、破廉恥、どうせ、自己紹介の時に鼻血を吹き出したのも女の子の裸体を想像してたんでしょ? この変態野郎!!」 「違うわっ!! 緊張したんじゃ、ボケッがっ!! つーか、仮面してる奴なんてお前しかおらんわ!!」 「時代の流行を先取りしてるんです」 「誰も、真似しねえよ。ひょっとこが進行する奴らがいたら世紀末かと思うし、誰も真似しねえからな」 もう、世界の終わりだね。 「ひょっとこをバカにしたらぶん殴りますよ」 「暴力反対どこにいった!?」 「時には必要な暴力があるんです。世知辛い世の中を生きていくには必要な拳がある!! そう、それが私の正義!!」 「だから、なんで無駄にカッコ良く力説するの? もう、なにがしてーの?」
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