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「何を言ってるんですか。教室、食堂と鮮血に染めておいて、貴方、以外に鼻血男の称号があるでしょうか、いいえ、ありえません。貴方こそ、鼻血男の名前がふさわしい」
ピシッと人差し指を俺に向けつつ、ひょっとこ仮面が豪語した。いや、でもさ、
「いらーねよ。そんな称号、つーか、誰も欲しがらねーから!! そのまえに鮮血に染めたって、凶悪犯みたいだからやめて!!」
事実だけれど、俺の鼻血で教室と食堂、血で汚しちゃったけれど、その後、ちゃんと拭き掃除したんだからな、俺が!!
「ふっ、凶悪犯ですか、放課後の教室に残って、ひとりで鼻血を吹き出し、ダイイングメッセージごっこをするつもりでしょうけれど許しませんよ。ここは教室じゃないですか、やるんだったら、廊下、階段、音楽室など、他の場所でするべしです」
「誰がそんな遊びするかっ!! ふざけんな!! ちょっ、マジで腹立ってきた、こっちこい、その仮面、引き剥がしてやるから!!」
ずんっと、一歩を踏み出すとひょっとこ仮面も一歩、後退する。なぜか、両手を広げて身体を左右に揺らして、なんの意味があるの? それ、
「では、ゲームをしましょう」
「ゲーム?」
「はい、範囲はこの教室、貴方が私から仮面を奪えたら貴方の勝ち、私が逃げ切ったら私の勝ち、その間、お互いにひょっとこと叫び続けて言えなくなった時点でゲームは終了です」
「それ、カバディ!! パクるな、そして、ひょっとこに対するその変な執着はなにっ!?」
頭が痛くなってきた、つーか、どうして、こんなことになったんだ?
「ふふふ、その理由は私に勝てたら教えてあげましょう。まぁ、勝てたらの鼻血、いえ、話ですが」
「ぶん殴っていい? もう、いいよね、俺はよく我慢しました。はい」
鼻血と、話をかけたつもりだろうが、ちっとも上手くないし、無理強いがひどすぎる。あ、これ、面白いかもって思って言ってみたな。とにかく、威嚇のために指の骨をゴキリと、
「鳴りませんね」
ただ、手を合わせただけに終わった。プッと笑われてるのがわかる。やるんじゃなかった。めっちゃ恥ずかしい。
「うるせー、やってやろうじゃねーか、よっしゃ行くぞ!!」
誤魔化すために叫んで、突撃。
「え。いきなりですね。ここはよーいひょっとこ!! スタートの合図をしてから」
「うっせー、つーか、ひょっとこじゃなくて、よーいドンだから」
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