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「お母さんに?じゃあ、隠せないな。お母さん、お父さんには嘘つけないし、お父さんはお母さんの嘘を直ぐに見破るし……」
「このまま、駆け落ちってどう?」
夏騎がベッドの上のわたしを覗きこんできた。
「そうなると……一生、お父さんに会って貰えないかも」
「多分……そうなるな。ところで、さっきから気になっていたんだけど、あれって何?」
ベッド脇にはテレビ台があってその上に、あの父のクリアファイルが置かれていた。
倒れた時に、胸に抱きしめていたからそれをそのまま家から持って来てしまったようだ。
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