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「私も宇野ちゃん大好きなのに~!」
あっ、そっち?
こんな事で動揺してる俺って…やっぱり、持ってかれたのかな。
『心、持ってかれちゃった?』
数日前の宇野ちゃんの言葉を思い出す。
エンジェルねぇ…。
「でね、宇野ちゃんがね…」
楽しそうに話しながら歩く千晃を横目で見ながら、体育館に向かった。
「あっ、直くんだ!」
体育館の入り口に三年生が数人いて、そこに千晃の中学の先輩の姿もあった。
「直く~ん!」
一際高い声で叫びながら、ピョンピョン跳ねて、その先輩の背中に張り付く。
背の高い直也先輩と並ぶと、更に千晃が小さく見える。
「おっ、おチビさん、おはよ。」
「おはよ。直くん!」
振り返って、千晃の頭を撫でる。
チビと言われても、髪をグシャグシャにされても、笑顔で話す。
俺がおんなじ事したら、ぜってぇ切れるよな…。
最近気づいた。
千晃は人との距離が近い。特に、直也先輩。
そして、直也先輩とは、俺には見せない笑顔で、耳を赤くして話す。
嫉妬かコレ…。
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