第19話

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「完全に2人の世界だな…。」 「ありえへん…。」 「まぁ、チビが幸せそうだから、いっか。」 「うんうん。千晃、おめでと。」 「…あれ?…だから、サッカー部に秀太いた時、喜んでたの?千晃クラス同じなのに、俺に仲良くなれって。そう言う事だったの?」 「お前も今さらかいっ。」 「にっしーに、ちゃんと説明したら絶対バレるじゃん。」 「せやな。絶対バレるわ。」 「あぁ、分かる。挙動不審になるよな。」 「もぉ~なんなのぉ~。皆してぇ。」 皆の笑い声に、我に返る。 「やべっ。」 「あっ。」 千晃と離れて、2人で顔を見合わせ照れ笑い。 「今さら照れんな。」 「そうそう、2人は公開告白してんだから。」 「もう、全校生徒が知ってるだろうね~。」 皆、楽しそうに笑う。 「良かったじゃん。公認カップルだよ。」 西島がニヤニヤしながらそう言った。 「まぁ、公認かどうかは、分からんけどな。」 「ちょっと、真司郎!」 宇野ちゃんが真司郎の肩を叩いた。 「冗談や。」 そう言って笑う真司郎。 「あなたが言うと、冗談に聞こえないんですけど。」 直也先輩が言うと、皆が笑った。 あぁ、皆で笑って、隣に千晃がいて…。 すっげぇ、幸せだぁ。 そう思って、千晃を見ると。 「すごい幸せ。」 千晃が呟いた。 「ああ、幸せだな。」 千晃の手を掴んで、俺の頬に当てた。 「これから、もっと幸せになろう。」 「うん!」 頬に伝わる暖かさを感じながら、俺は空を見上げた。
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