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「完全に2人の世界だな…。」
「ありえへん…。」
「まぁ、チビが幸せそうだから、いっか。」
「うんうん。千晃、おめでと。」
「…あれ?…だから、サッカー部に秀太いた時、喜んでたの?千晃クラス同じなのに、俺に仲良くなれって。そう言う事だったの?」
「お前も今さらかいっ。」
「にっしーに、ちゃんと説明したら絶対バレるじゃん。」
「せやな。絶対バレるわ。」
「あぁ、分かる。挙動不審になるよな。」
「もぉ~なんなのぉ~。皆してぇ。」
皆の笑い声に、我に返る。
「やべっ。」
「あっ。」
千晃と離れて、2人で顔を見合わせ照れ笑い。
「今さら照れんな。」
「そうそう、2人は公開告白してんだから。」
「もう、全校生徒が知ってるだろうね~。」
皆、楽しそうに笑う。
「良かったじゃん。公認カップルだよ。」
西島がニヤニヤしながらそう言った。
「まぁ、公認かどうかは、分からんけどな。」
「ちょっと、真司郎!」
宇野ちゃんが真司郎の肩を叩いた。
「冗談や。」
そう言って笑う真司郎。
「あなたが言うと、冗談に聞こえないんですけど。」
直也先輩が言うと、皆が笑った。
あぁ、皆で笑って、隣に千晃がいて…。
すっげぇ、幸せだぁ。
そう思って、千晃を見ると。
「すごい幸せ。」
千晃が呟いた。
「ああ、幸せだな。」
千晃の手を掴んで、俺の頬に当てた。
「これから、もっと幸せになろう。」
「うん!」
頬に伝わる暖かさを感じながら、俺は空を見上げた。
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