94人が本棚に入れています
本棚に追加
「何それ!面白そ~!!」
情けない声を聞いて、何故かテンションが上がる。
「見たい見たい~!」
「秀太、ムカつく。」
伏せたままで、不機嫌そうな千晃の声。
おもしれ~!!
見てやろうかと、席を立とうとしたら、先生が入ってきた。
いつの間にか、チャイムが鳴っていたようだった。
「やべっ。宇野ちゃん、クラス行くぞ!」
「うん。じゃ、二人とも!千晃イジメないでよ!」
そう言いながら、慌てて2人は出て行った。
先生が話し始めても、千晃は伏せたまま。
そういえば、千晃のスッピン、見たこと無いな。いつも、つけまつげ付けてるって言ってたし。
面倒だな、女って。
宇野ちゃんも付けてるのか?
わかんねぇな。
なんて考えてたら、授業が始まってた。
アイツどうすんだ…?
気になって見ていたら、教科書と一緒にタオルを出して、顔に当てながら、話を聞いてる。
そんなに見せたくないんだ……。
ぜってぇ、見てぇ。
背中に消しゴムを当ててもシカト。
鉛筆でつついてもシカト。
ムカつく!
「オイ!秀太。後で宇野ちゃんに怒られんぞ。」
日高の小声の忠告が耳に入る。
「あ。それはイヤ。」
休み時間まで我慢するか。
最初のコメントを投稿しよう!