第1話

5/7
前へ
/120ページ
次へ
「秀太、秀太。」 日高の声で起こされる。 あれっ? いつの間にか寝ていて、授業は終わっていた。 あっ!千晃!! 席を見れば、いない。 「千晃は?」 クラスの女子と話してる日高に聞くと、 「メイクしに行ったんだろ。慌てて出て行ったから。」 なんだよ~もっと早く起こせよ。 俺は急いで、廊下に出た。 ちょっと離れた所に、千晃の姿が見えた。 お!いたいた。 鼻歌交じりに追いかけると、すれ違った男子生徒の話が聞こえた。 「今の伊藤さんだよね…チョー可愛いっ!」 「だよな!天使だ、天使!!」 「マジ、かわいかった!」 かなりの興奮状態だ。 ちょっと待て…。 千晃のスッピンって、そんな破壊力持ってんのかよ。 急いで千晃を追いかける。 通り過ぎる男女共に、千晃を見て笑顔になっている。 「千晃!」 思わず腕を掴んで呼び止める。 「うわっ!ビックリした!」 そう言って振り返った千晃は…。 かっ可愛いっ! 「しゅーた?」 ビックリした千晃は、腕を掴まれたまま、俺を覗き込む。 上目遣いヤバい!
/120ページ

最初のコメントを投稿しよう!

94人が本棚に入れています
本棚に追加