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教室に戻ると、西島と宇野ちゃんが来ていた。
「宇野ちゃ~ん!朝はありがとー。ごめんねぇ。」
千晃はすぐに宇野ちゃんにくっついていった。
「おっ!いつもの千晃だね~。」
「ひひひっ、千晃ふっかーつだよ。にっしー。」
「良かった、良かった。」
西島が千晃の頭をポンと軽くたたく。
いつもの光景なのに、心に引っかかる。
なんだこれ?
笑い合う2人に、少しイラッとした。
そんな時、宇野ちゃんと目があった。
「秀太、千晃のスッピン見たでしょ。」
ニヤニヤしながら聞いてくる。
「あっ、そうだぁ~。秀太に見られたんだぁ。なんでわかったのぉ?」
くっついたままの千晃が答える。
何か嫌な予感がして、黙っていると…
「見たの?秀太。そりゃ大変だ。」
何故か西島が食いつく。
「なんで?なんで、なんで?」
ついでに、日高も食いつく。
めんどくせ~。
「そりゃ、もう、エンジェルだから、心持ってかれちゃうから。」
「なんだそれ!ますます分かんねー。」
「もう!にっしー、いっつもからかうんだから!」
盛り上がる3人を横目に、千晃から離れた宇野ちゃんが小声で俺に耳打ちする。
「心、持っていかれちゃった?」
殴られたような衝撃が走る。
マジで…??
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