第1話

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教室に戻ると、西島と宇野ちゃんが来ていた。 「宇野ちゃ~ん!朝はありがとー。ごめんねぇ。」 千晃はすぐに宇野ちゃんにくっついていった。 「おっ!いつもの千晃だね~。」 「ひひひっ、千晃ふっかーつだよ。にっしー。」 「良かった、良かった。」 西島が千晃の頭をポンと軽くたたく。 いつもの光景なのに、心に引っかかる。 なんだこれ? 笑い合う2人に、少しイラッとした。 そんな時、宇野ちゃんと目があった。 「秀太、千晃のスッピン見たでしょ。」 ニヤニヤしながら聞いてくる。 「あっ、そうだぁ~。秀太に見られたんだぁ。なんでわかったのぉ?」 くっついたままの千晃が答える。 何か嫌な予感がして、黙っていると… 「見たの?秀太。そりゃ大変だ。」 何故か西島が食いつく。 「なんで?なんで、なんで?」 ついでに、日高も食いつく。 めんどくせ~。 「そりゃ、もう、エンジェルだから、心持ってかれちゃうから。」 「なんだそれ!ますます分かんねー。」 「もう!にっしー、いっつもからかうんだから!」 盛り上がる3人を横目に、千晃から離れた宇野ちゃんが小声で俺に耳打ちする。 「心、持っていかれちゃった?」 殴られたような衝撃が走る。 マジで…??
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