波乱

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静まり返った沼に波紋が一つ、小さな輪を描いた。 その沼から沈んだ深い深い水の底。光の届かない誰からも見捨てられた深淵から、地上を眺める男が一人いた。 「…新しい風が来たかな…?」 くすくすと愉快そうに笑う姿に、また水面が揺れた。
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