旅の始まり

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「そうですね…目の色が変わるっていうのも気になりますが…どうして兄上に文を…」 頼爾はぱん、と膝を叩いた。 「心当たりがあるのだろう。妖の類いの。であれば、直ぐに向かわねばな」 「はぁ…」 珍しく生き生きと旅支度をしている頼爾に、信爾は眉をひそめた。 「兄上…出仕はいつされるんです?」 「そうだなぁ…妖退治の旅が終わってしばらくしたらかな?」 「妖かどうかもまだわからないのに…」 はーっとため息を吐いたが、頼爾は素知らぬ顔だ。 「兄上、その出立少し待っていただけませんか?」 頼爾は首を少し傾け笑んだ。 「私もご同行させてください。兄上の行動を後々報告しなければいけませんから」 「ふん…なかなか言うようになったな、信。良いだろう、早めに支度してこいよ?」
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