旅の始まり

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「!!まっ…真火さん!?」 信爾は慌てて真火に駆け寄った。 「あ…こんにちは」 にこ、と笑った真火はいつも通りだった。 「えーと、あの…い、今のは…」 「どうされたんですか?何だか…旅支度のようですね?」 至って普通の会話をする真火に、信爾は内心気が気ではなかった。 (み、見られてたんだろうか…見られてたとしたら、誤解を解きたいな…) 「あ、ええ…今から兄と澪野山(みおのさん)まで…」 「今から、ですか?」 真火は驚き、何か考えるような真剣な顔つきになった。 「真火さん…?」 「私もご同行させてください!!」 「えぇっ!?」 慌てる信爾と決意の真火。そんな二人の様子を、屋根の上から眺める猫がいた。
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