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「ッッッッ!!!ふんんんんん~ッッッッ!!!」 ガリッ。 「ッッッッ!!?んぐふぁぁぁぁぁぁぁぁ?!!」 一体全体、何が起きたのかを説明するとすれば まず最初のピタンという効果音。 これは私の口内にある触れられてはいけない部分を暴れん坊将軍に成敗された音。 そして後続のガリッという効果音は、成敗に驚いて条件反射的に麻衣の舌を噛んでしまったものだ。 だから、だから……あれほどやめておけと。 最終下校時刻も間近に控えた夕闇色の図書室。 そこには、それぞれにおかしな動きをとり 悶え苦しむレアな女子高生二名の姿があったそうな。 ―――――――― 「ごめん……あのさ、もう一回言ってくれる?」 「だ、だだっ……だ・か・ら!口内炎だよ!こ・う・な・い・え・ん!」 「……はぁ」 「何その気の抜けたリアクション!?めっちゃハートブレイキィー!」 「口内炎は移らないよ~。この前、試してガッデムでやってたじゃん」 「そ、そうなの?くっそー……それを見てさえいればこんなことには……」 「ふふっ……まあ何にせよ、有紗に嫌われたわけじゃないってわかって安心した」 「そんな……嫌うわけ、ないじゃない。私はいつだって麻衣のこと……」 「有紗……。ありがと、めっちゃ嬉しい」 「ど、どういたしまして」 「ああでも、いくら私のことが好きだからって、毎回大事なところを擦り付けるのはやめてね。あれすっごく息苦しい から」 「ぶッッッッ!!そそそそれはっ……!わ、忘れてください!お願いします!光の速さで!」 「やーだよーん、へへへっ。あっ……」 「…?ど、どうかした?」 「ん~、なんかね~、エッチな有紗の姿思い出してたらまたシたくなってきちゃった」 「へえぇっ!?」 「第二ラウンド、いっとく?」 「い、いや!ちょっ…まっ!私これから、ゴロゴロしてウダウダしてダラダラするっていうハリウッドスターばりのハードスケジュールがっ!」 「れっつらごぉー!」 「おか、おかっ……おかあああああさああああああああんッッッッ!!」 夕日もとっくに沈み込んだ真っ暗い夜闇の中 お馬鹿な勘違いを仕出かした一人の女子高生の悲痛な叫びが虚しく木霊していたという。  
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