NEW GAME.

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あれから1年経った。 県立大学は、耐震に問題があったようで、地震、津波の猛威により、完全に倒壊した。 倒壊してしまった県立大学に通っていた学生は、他大学に編入させられることになっていた。 勿論、朱里や翔太も。 そして、朱里が編入することになった大学が。 愛媛県立黎明大学。 「朱里」 合気道部が存在する大学は、近くにある大学では、この黎明大学のみだったため、合気道部の部員は、皆黎明大学に編入することになっている。 勿論、翔太も例外ではない。 「翔太先輩」 あれから、恥ずかしながらも翔太のことを名前で呼べるようになったが、あれ以上に仲が進展したわけではなかった。 「黎明大には慣れた?」 朱里の髪を撫で付けながら、翔太は聞いた。 「そうですね。こっちでの一人暮らしにも慣れましたし、部活の皆さんも良くしてくれてます」 朱里の笑顔を見て、翔太も優しく微笑んだ。 「先輩も、そろそろ実家通いに慣れました?」 翔太は実家が黎明大学の近くにあるため、この大学へは実家から通うことになっていた。 「はは……慣れたっちゃ慣れたけど、変な感じだよ」 翔太は朱里の髪を未だに弄りながら、苦笑した。 そんな他愛ない雑談をしながら、朱里はこれからの大学生活に思いを馳せた。
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