ココ、ドコデスカ。

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なんやかんやと云いつつ、あたしはまだ女ですよとカミングアウト出来てない。 と云うか男に間違われてるって…。女だと疑われる余地も無いって…。 それって凄く悲しい。ぐすん。 それにしても、此処の女性陣は皆小さい。150センチ以下が殆どじゃないか? 座ってたから分からなかったけど、総じて皆小さい。 162センチが若干恨めしい。学校じゃそこまで大きい方でも無いんだけどなぁ。 あと、髪の毛。まあこれはちょっと仕方が無いかもしれないなと、あたしも思う。 皆綺麗に日本髪が結えるくらいの長さはある。後れ毛も無くて整った日本髪に、豪奢な簪たち。椿油の匂い。その黒髪が主張するのは、違うこと無く女の色香だ。 あまり目の当たりにすること無いそれに酔ってしまいそう。 それに比べて、ねぇ? あたしの今の髪型は普段でも男性と間違われるには十分な長さだ。こんな世界の中に居たら尚更。 なんだか居心地が悪くてあたしは襟元の短い髪を弄んで俯いた。 因みに今、部屋に音夏さんと君菊さんは居ない。 相変わらず背中が痛くて布団に座ったままのあたしと、大人しくあたしの側に控えて居る雪代ちゃん。この子、まだこんなに小さいのに如何してこんなに良い子なんだろう。 「えっと、……雪代ちゃん?」 何処かぼんやりと自分の指先を見つめて俯いて居た雪代ちゃんを呼んでみると、彼女はおかっぱ頭を揺らしてはっとしたように顔を上げてあたしの顔を見て、それから何故か頬を赤くしてちょっと目を伏せた。 「へ、へぇ。なんどすえ。」 「や、なんか、私、しちゃったかな、と。それにしても雪代ちゃん、顔赤いけど、大丈夫?」 さっきからどうにも彼女のあたしに対する態度が何だか微妙な気がして、でも人間好き嫌いって誰にしもあるしね。それでもこんな頑是ない子供に嫌われるような事を無意識にしてたとしたら、それはあたしの人間性がどうかしちゃってるわ。 だから、聞いてみたんだけれども。 「あ、れ……雪代ちゃん?」 耳まで真っ赤にした雪代ちゃんはさらに深く俯いてしまった。 これは…やっぱりあたしの人間性改善キャンペーンを開かないと駄目な感じですかね。うわ、ショック。
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