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袖口からちらりと覗く手首には、もう消えかかっているが微かな傷痕。
「最初は不安だったけど、こっちの学校では皆優しくて、近所のおばちゃんたちとも仲良くなったんだ。ここに来て本当に良かったと思ってるの。」
ゴミを入れたビニール袋の口を捻って縛ると、パンパンと手をはたき、にっこりと笑みを浮かべる。
「だから、町へ少しでも恩返し!さて、これでよしと…」
役目を果たした満足げな目は向きを変えると今度は別の色合いを見せていた。
「あのぉ…」
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