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冬の朝ほど寝床が愛しいことはないだろう。
「うぅ~、あと、五分…」
意地悪なアラームを叩きのめそうと布団から出した手にヒンヤリとした空気が触れる。
「やば!起きなきゃ。」
ガバッと布団をはね除けて飛び起きれば冷えきった部屋の空気に包まれて一気に目が覚めた。
手早く着替え、階下に向かう。
「おはよう。茜ちゃん。」
「おはよう。おかあさん。」
母が淹れてくれた温かいココアを口にすると、体のエンジンがかかり始めた。
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