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「以前は、確かめたいと、思ってました。でも気付いたんです。ろくなものじゃないだろうって。」
「今となっては、過去なんて、知りたくもありません。」
「僕は只、家族の皆と笑って過ごせれば。もうそれだけで、いいんです。正直、大学へは。じいちゃんが、どうしてもって言うから・・・・行ってるだけなので。」
志音の独白に、共感しつつも。彼女は言わずにいられない。
「それでも、君は。ヒーローになるべきだよ!・・・ねぇ、知ってる?」
そう言うと、アリスはバッグから、手の平に納まる、金属体を取り出した。志音にとっては、初めて見る物だ。
「これはね、ヒーローリアクターって言うんだ。」
「私達はこれを使って、より高次元な存在と、一体になる事で、変身できるの。私の場合は、白銀の天使ヴァルキュリアにね!」
「今は、昔と比べて。オラクルリーダーさん達の力を借りているから、わりと簡単にヒーローチェンジ出来るけど。その本質は、今も昔も、変わらないの。どういう事か、分かる?」
「・・・いえ。」
興味無く、相槌を打つ志音だったが。彼女の勢いは止まらない。
「それは、魂だよ!!」
「自分の意識と、魂の求める行動が、合致する時。始めてヒーローになることが出来るの。」
「上級のヒーローになると、そこからさらに。エンゼルや、時には神様だって応援しに来てくれるんだよ!すごいでしょ!」
「でも、どんなに力が強くても、どんなに愛があっても。自分の中にある、宇宙と繋がる部分。魂の要求に答えられなければ、変身できないんだよ。」
志音を見つめ、語気を強める。
「あの時感じたの・・・・・私の中のね、魂が囁くんだ!君は、ヒーローになるべき人だって!」
「・・・・ずいぶんと、大げさな話ですね。」
ここまで、熱っぽく話してきた、アリスだが。ようやく会話の相手との、温度差に気が付く。
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