拒めない唇

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「そろそろリハ行きます」 ようやくセッティングを終え 会場入りしたMashのメンバーが ステージの立ち位置を確認する。 インカムで指示する 琉惺の声を聴きながら 私の心は複雑に揺れていた。 佐伯女史から聞かされた 和成さんとの過去。 あのレストランで遭遇した時 まるで和成さんから 逃げるように店を出た 佐伯女史。 あの時の彼女の気持ちが やっと分かった。 どれだけ心に言い聞かせても 身体が求めてしまうから… 耐えられなかったんだ。
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