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「俺…、本当にいい人に巡りあったかも…。
ジロに感謝だな…。」
ポツリと呟くレヴンに、
「ジロ?」
ゲインが聞いてきた。
「あぁ、実は明がグラントの貧民街に来たとき、弟のジロが世話になって…
あ、弟って言っても、俺達2人共捨て子で、拾ってくれた人が同じ人だったから、単純に兄弟を名乗ってて…。」
ジロとのいきさつは、ジルも初めて聞く話で、
「だから、しばらく落ち込んでたのか…。」
「え?親父は知らなかったのか?」
驚くゲインに、
「あいつがそんなこと、進んで言う訳ねぇだろ?なんかあったな…とは、思ってたんだがな。」
「まぁ、明らしいかな?」
「まぁな…」
俯いてしまったレヴンに、
「そうだな。弟がいなかったら、お前と明の縁は無かったかもな。弟に礼を言っとくんだな。
次いでに俺の分も言っといてくれ。
『甥っ子に会わせてくれてありがとう』ってな。」
頭をグリグリ撫でながら、笑うジルの目にも、うっすらと光るものが…。
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