おじさんといっしょ。

13/13
13390人が本棚に入れています
本棚に追加
/218ページ
ズビっと鼻を啜る音に、2人が顔を上げると、ゲインが男泣きに泣いていた。 「ゴメン。俺…こういう話に弱いんだ…。」 笑いながら、ジルがゲインの頭も撫でる。 この日の狩りは、ゲインが付きっきりでレヴンに教えていた。弓矢で追い込み、あらかじめ掘っておいた穴に落とす。 狩りに参加して、一緒に走り回って…。最後の晩はその獲物で、村中が食って飲んだ。 子供も大人も。 ジルとゲインの回りにはいつも人が沢山いて、皆が笑っていた。 「いいなぁ…。俺もいつかここに住みたいなぁ…。」 レヴンが人の輪から外れて、彼等を見つめながら呟く。 と、後ろからドン!ドンドン! 「なぁなぁ、レヴンの兄ちゃん!次は、いつ来る?」 「今度は、違う遊び、教えてやるぞ!」 村の子供達がレヴンに抱き付いてきた。 「そうだな。次の休みは夏だから、俺も楽しみにしてるよ。」 嬉しそうに答えるレヴンに、子供達は『やったぁー!』と叫びながら、そのままレヴンを押し倒していく。 「ちょっ!やめ!ちょっと、待って…。 お前ら、覚悟しろよ!」 子供達ともつれるようにはしゃぐレヴンを、ジルとゲインが笑いながら見ていた。
/218ページ

最初のコメントを投稿しよう!