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「遅くなってすまんな。俺はユーリカ。こいつの上官だ。今は宰相補佐官の護衛でこの町に来ていたんだ。
ラウル君がお姉さんの心配をしていてね。代わりに我々が迎えに来たんだ。」
「そうなんですか。ありがとうございます。」
ピョコッと、頭を下げて握手を求めるように、アマンダがユーリカに手を差し伸ばす。
「あ、あぁ…。」
あわててズボンで手を拭くと、その小さな柔らかい手を、恐る恐る握る。
「可憐だ…。」
手を握ったまま、動かなくなってしまった。
後ろからドン!と、突かれて我にかえる。
「ユーリカ隊長、いつまで握ってるんですか!」
「あ、ああ!すまん!では早速帰るとするか。」
ウェルの回りには、子供が張り付いていた。ユーリカの顔が怖いのか、服の端を握り締めている。
歩き出そうとすると、
「あ、いた…。」
アマンダがびっこを引いているのに気が付く。
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