拓蘭

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当日… ヤバイ、全然眠れなかった… 支度を終えて昨日ベットに入ったのは、確か11時だった筈… しかし完璧に目が冴えて眠って目を覚ましたのは、小鳥のさえずりさえも聞こえない早くに目が覚めた… 出発前に顔を鏡で写してきたら、隈が凄く出来ていた。 ふあああ、と情けない欠伸をしながら待ち合わせ場所である神童の家に辿り着いた。 「霧野おはよう…凄い隈だな。」 相変わらずのプリンススマイルで出迎えた神童が俺を見て苦笑した。 んー、と返事を返して全員が到着するのを待つ事に。 ピロリーン… 神童のスマホがポケットから美しい音色の着信音を奏でた。 「もしもし、あぁ錦か。」 電話の相手はどうやら錦らしい。どうせあいつの事なら遅刻いや、たった今起きたばかりの連絡… 「え!?熱があるのか?……分かった。あぁ、そういう事な。了解」 神童が電話を切って苦笑いを浮かべた。 錦曰くどうやら、熱が出て参加出来ないらしい。 呆れ笑いを返しかけた時 「ごめん~遅くなった!」 やっぱり釣竿に呑気な声で浜野がへらへらと笑いながら走って来た。 「ったく…」 倉間と速水は既に来ていて、呆れた溜め息しか出てこない。 「じゃあ、出発するぞ~!」 神童が車のいつもの運転手の後ろの席に座って窓から身を乗り出して呼んだ。 「俺はここに座る~」 「車酔いしにくい席で~…」 「早く決めろよお前ら!」 三人があーでもないこーでもないと言い合いながら席に着く。 俺は空いている神童の隣に大人しく座った。 「行くぞ~」 「「おー!」」 車はエンジンを噴かして静かな喧騒の住宅街を走り出した。
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