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部屋に戻って綺麗に並べられた布団をぼすん、とダイブする。
絶対変に思われただろうと考えると胃が痛い。
「霧野、大丈夫か?」
濡れた髪をタオルで乾かしながら神童が戻って来た。
……。
返事を返さず寝たふりをしようと決めた。
「そう言えば、霧野って好きな人いるの?」
がばっ
思わず起き上がる俺を神童が寝たふり禁止と笑いながら俺を促した。
「俺は…」
言いたい。
お前が好きって言いたい。
でも、折角親友まで築き上げた関係を壊す訳にはいかない。
俺は…
「霧野、俺の事好き?」
ばふっ!
俺の頭を叩いた。
「っ…それって…」
俺は予想外の科白にポカ~んとしている。
ばしっ!
もう一度、今度は強く叩いた。
「恋としては?」
言っちゃダメだ!
言うんじゃない!
頭が否定否定の連鎖反応を起こす
でもそれより先に暖かい何かが溢れた。
「っ…うぐっ…ぐすん…」
涙しか出てこない。
伝えちゃダメなのにダメ、なのに
「神童が好きっ!ぐすっ…恋として好きなの!」
すると神童は腕を引っ張って俺を抱き寄せた。
そして耳元でこう囁いた。
「俺も好きだ…愛してる…」
お互いどちらもなにも言わずに口づけを交わす。
…その後どうなったかは、貴方の想像しだい…
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