終章 決断

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 旭川市の自宅に帰って来た私は道中、札幌に帰省してからの出来事を思い返しながら運転していた。  そんな中、私は心に決めている事がある。  雄二との関係をはっきりさせる、ということ。  彼には喧嘩中とはいえ、彼女がいる。それも、結婚を前提に付き合っている人。  それに、付き合ってくれ、とも言われたわけでもないのに毎日私の家にいる彼。  それら全てを解決させたい。  私は決して雄二を嫌ってそうしようとしているわけではない。ただ、曖昧な状態でこのままずるずると過ごすのが嫌なだけ。    実家からは昼から帰って来たので今は四時過ぎ。  帰省した際に持っていった荷物や、母からもらったお菓子類を整理しながらしまっていく。  そして、片づけが終わり後で食べようと思っていた煎餅を一口かじって食べた。  美味しい、と思いながら携帯をいじる。 疲れてはいるものの雄二と話さなければならないと思って電話をした。 何度か呼び出し音が鳴り、つながった。 「もしもし、雄二?今大丈夫?」 「おう、結子。大丈夫だ。何か久しぶりのような気がするな。今、帰ってきたのか?」 「さっき帰って来た。それから荷物片付けてたから。今、何してた?」 「今日は良い事があったんだ」 「え?何?」 「何だと思う?」 「焦らさないで早く言って」 「実は仕事決まってさ」 「あ、ほんと!?良かったじゃない」 「それにしても電話してくるなんて珍しいな。いつもメールなのに」 「あ、うん…。私も雄二に話しがあって」 「話し?何だ?」 「私達の関係って一体なに?付き合っているわけでもないのに雄二は私の家にずっといるし」 「付き合っているわけでもない、か…。恋人気分なのは俺だけなんだね」 「ていうか、雄二から付き合ってくれって言われたことないよ?それに、結婚を前提に付き合っている彼女さんだっているんでしょ?」 「結婚か…。そんな頃もあったな…」 「え?どういうこと?」 「結子が札幌戻っている間に会ったんだけど、フラれたよ……。顔も見たくないって言われた…」 「そうだったんだ。ちなみにどうして?」 「結子の存在がバレたんだ…」 「でも、それって私のせいじゃないよね」 「もちろんだよ」 自業自得よ、と私は思った。
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